投資顧問を利用するメリットとデメリット総まとめ|真の投資術を身につけるためのTIPS
この記事を監修した専門家
ウェルスパス投資顧問代表 渡邉
ウェルスパス投資顧問
複数の大手外資系証券会社で日本株式ディーリング業務に計20年以上従事。運用結果がシビアに評価される中で最大1,000億円の運用を任される。特に、成長株の分析及び投資戦略が得意。
現在は、ウェルスパス投資顧問(関東財務局長(金商)第3014号、一般社団法人日本投資顧問業協会所属)の代表 兼 銘柄分析者 兼 投資助言者として会員へアドバイスを行う。
公式サイト

月並みに表現すると、投資は自己責任です。

証券会社で口座を作るのは簡単ですが、そこから先、どのような選択を行い、トレードするかはご自身の手にかかっています。

その一方、投資家に対してアドバイスないしは助言を行う「投資助言会社」と呼ばれる存在があります。(※世間一般の通念上、投資顧問といえば投資助言の事を指します)

今回の記事では、投資顧問の役割や、投資顧問から助言を受けることにおいてのメリットを解説します。

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【基礎編】投資顧問の役割

投資顧問とは、端的に言えば投資家に対して助言や適切なアドバイスを行う役割を担う存在です。

具体的には株式投資の際、今後値上がりが見込まれる銘柄に関する紹介を行ったり、いわゆる売り・買いの適切な時期についての助言を行います。

投資家に対する助言の例『この会社の株価はこれくらい上がっていますよ』だとか『この会社は今成長期です。これくらい株価が上がる可能性があります。』といった具合に、具体的なアドバイスを行うようなイメージです。

専門的な立場からの助言が得られるため、例えば仮に投資家が航海のキャプテンなら、投資顧問は航海図やコンパスのような存在と言ってよいでしょう。「投資家の秘書的な立ち回りを行うような存在」と説明されることもあります。

一般的に株式投資を行う際、まず投資対象となり得る銘柄の業績・将来性など様々な情報を精査しなければなりません。

この精査・投資判断の部分にかけては経験値や幅広い知見が求められ、そしてこれが投資の結果を左右するといって過言ではありません。

無論、投資家自身が知見を高め自身の判断によって運用成績を上げられるようになることは最上です。しかしその一つのサポートとして投資顧問から助言を受けるという選択肢があるというわけです。

2種類に分けられる投資顧問業
元々投資顧問業は、昭和61年5月に成立、その後施行された「投資顧問業法」によって誕生した業態です。この時は投資顧問業という一つの業態で運用されていたのです。これがおよそ20年後の平成19年9月に施行された金融商品取引法によって廃止され、投資顧問業は現在の運用である「投資運用業」と「投資助言・代理業」に改称されました。このことが端緒となり、現在では投資家にとっても幅広い選択肢が提供されています。

投資顧問利用における6つのメリット

投資顧問を利用するメリットを解説します。

※なお、ここでは投資顧問を利用するメリット=投資顧問会社(投資助言代理業)と契約するメリットとして定義します。

プロによる分析の提供を受けられる

投資顧問会社には、企業に対する深い理解に基づいて財務諸表等から企業価値を読み解き、今後の企業の成長性などを予測したり、様々な統計資料を駆使して企業の価値を評価したりすることのできるアナリストが在籍していることも多いものです。

こうしたアナリストは企業を深く研究し、企業の実態を把握・分析しています。

そうしたアナリストの眼力によって分析された企業価値は、投資判断においても非常に優秀なデータとなりえます。

また、企業分析のノウハウを蓄積したアナリストに分析してもらうことで、投資の判断材料となる企業データが充実し、企業分析をより確かなものにすることができます。

株式投資に関する有益情報の提供を受けられる

投資顧問は、投資未経験者が株取引をする際に必要となる、相場観や投資手法などの知識を提供できます。

投資未経験者が株取引を行う際に問題となるのは、まず「どの銘柄を買えばよいのか」ということと、「どの企業が業績・将来性ともに有望かどうか」ということです。

これらのことを正しく見極めるためには、証券市場全体の動向を日々チェックしておくことや、株式投資のベテランである投資顧問にアドバイスをもらうことが重要になってきます。

投資顧問では、これら株式取引に関する知識を提供可能です。

また、株式投資に必要な情報収集の方法や、投資に関する様々な悩みに関する各種のインストラクションを受けることも不可能ではありません。

実用的な投資知識の提供を受けられる

実用的な、高い投資知識が得られるのもメリットの一つと言ってよいでしょう。

ここまでご紹介している通り投資顧問を利用すると、株式投資を行うにあたって必要な知識や経験を得ることができます。

一般的に株式投資で結果を出すためには、基礎的なところで言えば株式投資についての基本的なルールや用語、投資のテクニック、そして株式投資で成功するために必要な心構えなどを学ぶ必要があります。

そしてご存知の通り、これらは一朝一夕で身に付くものではありません。

しかし、投資顧問を利用することで、こうした基本的な知識を短期間で効率よく学習することも可能となります。

投資顧問は一般的にハードルの高いものと考えられがちです。

しかし投資未経験者についても専門的な知識や経験を伝授してくれる存在であることから、ある程度の経験値のある投資家というより「株式投資をやってみたい」という、これからの投資家にこそ推奨したいサービスと言えます。

投資への心理的な不安を支えてくれる

投資未経験者が株式投資をする際、最も不安なのは『本当に儲けることができるのか?』という点ではないでしょうか。

特に投資経験の浅い方であれば、リスクを負うことへの心理的抵抗感が強いのは当然のことです。

投資顧問は、そんな心理的な不安を解消する手助けを行ってくれます。投資は一般的に数値のみならず、メンタルの部分の管理も重要です。

投資顧問は、投資の相談だけでなく心理的側面での精神的支柱という立ち位置を見いだすこともできます。投資の相談やアドバイスを受けるうち、心理的な負担や不安が解消されるケースもあるでしょう。

このような意味合いでも投資家の心理的な不安を支えてくれるのは投資顧問の大きなメリットのひとつです。

時間を効率的に活用できる

投資顧問利用のメリットとして「投資家の時間を効率的に使うことができる」というものがあります。

例えばいわゆる兼業投資家の場合、仕事をしながら毎日株価を見るわけにはいきません。

そのため、多くの場合株価の値動きを集中的にチェックするのは帰宅後や週末、長期休暇の時に限られてしまいます。

基本的に「場中」に情報収集をすることは難しいというケースの方が多いでしょう。

このような状態が続くと、時間効率という部分ではどうしても効率が悪くなるという懸念もあります。

そこで利用したいのが投資顧問です。

投資顧問を利用することにより本来投資家が自身で行わなくてはならないような銘柄の調査や、各銘柄における変動(値動き)に関する情報を代わりに入手してくれます。

これにより、投資家が別で仕事をしている間にも情報収集を行うことができるようになるメリットがあります。

「出口」を見据えた助言が受けられるメリット

投資顧問の導入の契約によるメリットの一つに「出口を見据えた助言が得られる」というものもあります。

投資における出口といえば、一般的には買い時・売り時のことです。

例えば保有している銘柄や新規に購入した銘柄がどのタイミングで利確されるべきかについては、投資の深い経験・知見がその適正な数値を導き出すことになります。

一般的に投資を始めたばかりのタイミングでは、これらのデータが潤沢というケースはほぼありません。ここをサポートしてくれるのが投資顧問といったイメージです。

具体的には最適な利確ラインの提示などがこれにあたります。

このように投資顧問と契約することで「投資のゴール」を明確にイメージしながら投資活動を行うためのヒントが得られます。

投資顧問を利用するデメリット3選

投資顧問の利用に際しては、もちろんメリットばかりではなく情報として持つべきデメリットもあります。

ここでは公平性の観点から、投資顧問利用における想定されるのデメリットについても解説します。

費用がかかる

投資顧問を利用する際には当然のことながら、費用がかかります。

この費用に関しては一般的に、月額制となる場合もあれば、顧客との協議等で個別に金額が決まるケースもあります。

また高額だからといって、確実に収益が上がるというものでもありません。逆もまた然りで、投資顧問においては費用の多寡でその品質や成果を推し量ることは非常に難しいものがあります。

相性問題もあるため、最終的には費用対効果の部分で判断をするほかありません。

なお費用感に関しては、一般的に投資顧問と契約する際に交付される契約締結前交付書面や各種重要説明事項を記載した書面を確認の上、契約前の疑問は解消しておくことが肝要です。

投資顧問と投資家の相性問題

投資顧問は、一般的に全ての会社が一律して同じ情報や役務を提供するようなものではありません。

いわば経営コンサルタントや秘書のように、同じ目的・方向性ではあるものの、それぞれが持つテクニックや知見・情報網は千差万別です。

よって利用する際には、自身が得たい情報を持つ投資顧問に依頼をすることが重要となります。あくまでも投資顧問は助言を行う存在であると心得え、ご自身と相性の良い投資顧問と契約する事を念頭に置くべきです。

最終的な投資判断は自己責任において決定する必要がある

投資顧問の意見を参考にしても、最終的に投資を決めるのは投資家本人です。投資顧問は、あくまで助言及びアドバイスの域を超えることはありません。

投資顧問の中でも、とりわけ運用ではなく投資助言を行う投資顧問については、あくまでも法律では「助言を行うことのみが許可されている」ということを忘れてはなりません。

よって、最終的な投資の判断は投資家自身の責任で行う必要があります。

とはいうものの、リスクが高すぎるような投資判断を行おうとしている時には投資顧問が的確に指摘を行い、代替案や改善案の提示を得られるなどメリットが多いこともまた事実です。

まとめ

投資顧問は「投資の専門家」です。

投資未経験者がいきなり投資を始める際に不安要素として考えられる「投資の恐怖感」「リスクへの不安感」を取り除いて、安心した状態で投資を始められるよう手助けしてくれる存在と言い換えることもできます。

投資未経験者の方でも、投資顧問を利用することで、株式投資という未知の領域へ足を踏み入れることが可能になるのです。

とはいえメリットが多数ある投資顧問も、最終的にはいくつか考えるべきポイントもあります。

メリット・デメリットを正しく理解し、運用成績の向上、また投資家ご自身の成長に役立てるというスタンスが肝要です。