資産形成と資産運用の違いとは?リスクとコストを踏まえて自分で判断を

「資産形成」と「資産運用」。

それぞれの言葉を聞いて、違いが何なのかわからずに悩んでいる人もいるでしょう。同様に、どちらも「資産を増やすもの」という漠然としたイメージを持っている人もいるでしょう。

事実、この手の話題に関するブログ記事などを検索しても、どこかふわっとした内容にとどまっていたり、上手く「お茶を濁している」ケースもあります。

同じような言葉だと思って使ってしまいがちですが、実は資産形成と資産運用にははっきりとした違いがあります。

この記事では、そもそも資産とは何かに立ち返ってわかりやすく説明したうえで、資産を形成するのと運用するのとでは何が異なるのかを具体的に紹介します。

資産について確認

資産と聞くと、真っ先に「お金」を思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、資産とは厳密に言えばお金だけを指すものではありません。

資産形成と資産運用の違いを考えるためには、資産について正しい理解することが重要となります。具体的なイメージができていないと、形成や運用について解説してもわかりにくいでしょう。

ここではまず資産について正しく確認したうえで「運用とは何か」「形成とは何か」という順でそれぞれ説明していきます。

資産とは何かについてイメージができていると資産運用や資産形成に関する知識も付けやすくなるので、身の回りにある資産についても紹介します。

資産とはなにか

資産とはもともと会計用語として用いられていたもので、個人や法人が持っている全ての金銭的価値のある財産を意味します。

会計上では、次の3種類に分けることが可能です。

3つの「資産」とは
  1. 流動資産
  2. 固定資産
  3. 繰延資産

それぞれについて具体的にイメージしやすいように、簡単に内容を確認しておきましょう。

流動資産
まず「流動資産」とは、短期間で現金化が可能な資産を意味します。現金自体も流動資産ですが、他にも預金や貯金、株式や債券、ファンドなどの有価証券を含みます。受取手形や売掛金、商売をしている人なら商品や製品、立替金や仮払金なども流動資産です。

固定資産
固定資産とは短期間では出入りをしない資産で、現金化があまり行われないものを指します。不動産や保険が代表的なもので、工場などの設備も該当します。また、著作権や借地権のように、金銭的価値のある権利についても固定資産とするのが通例です。

繰延資産
「繰延資産」は企業会計における資産の考え方で、開業費や開発費、株式交付費や社債発行費などが該当します。損益計算の際に分割して償却可能な資産として、固定資産とは別に認められているものです。個人の資産としてはあまり該当するものがありませんが、将来的に事業を行う予定がある場合は頭に入れておくと良いでしょう。

身の回りにある資産

それでは、資産についてもう少し具体的なイメージを持てるように、私たちの身の回りにある資産について考えてみましょう。

現金や預貯金は最もわかりやすい流動資産で、日本円だけでなくアメリカドルやオーストラリアドル、さらにはビットコインなどの仮想通貨も資産です。

投資をしている人の場合は、株式や国債などを持っているでしょう。将来のために個人年金保険に加入していたり、お金に困っている知人にお金を貸して借用書を持っていたりする人もいます。このような金銭的価値を持つものはすべて資産です。

金銀やプラチナなどの貴金属やダイヤモンドなどの宝石なども同様で、広い意味ではパソコンやデジタルカメラなどの換金性のある物品も全て資産に該当します。そのほかには車やバイクなどの高額な動産も、資産としてよく挙げられます。

また、土地や住宅などに代表される不動産も重要な資産です。自宅だけでなく不動産投資をしている人が持っているマンションやアパートなども、所有権を手に入れれば自分の資産になります。

このように、一口に資産と言っても、その種類は多岐にわたっています。できるだけ広い意味で考えて金銭的な価値を見出せるものうち、自分が所有しているものなら自分の資産だというイメージを持つと良いでしょう。

資産運用とはなにか

資産について具体的なイメージができたところで、まずは「資産運用」について理解を深めていきましょう。

運用とは「そのものの特徴を活かして利用することにより価値を高めること」を意味します。つまり、様々な種類がある資産の特徴に着目して金銭的価値を高める手段を指すのが資産運用です。

資産運用はあくまで手段であって、資産を増やすことを目的とする資産形成とは区別されます。

また、資産形成については後ほど詳しくご説明しますが、資産運用は大きく分けると「貯蓄」と「投資」の二つの方法があります。ここでは、それぞれの詳細を解説します。

広義であれば預貯金も資産運用

現金資産を銀行に預金をしたり、郵便局に貯金をしたりしている人もいるでしょう。広義で言うところの資産運用は、このような預貯金も含みます。

資産をただ現金で持っているだけでは、その価値が高まることはありません。しかし、銀行にお金を預けておけば少しずつとはいえ利息が付き、現金の特徴を生かして価値を高めていることになります。

これは先の分類では「貯蓄」に該当するもので、元本が失われるリスクが極めて低く、資産を失わないように運用する方法です。

資産運用というと「投資」をイメージする人が多いかもしれませんが、投資が預貯金などの貯蓄と区別されるのはリスクが伴うからです。例えば、現金を株式投資やFX投資などに使うと元本を失うだけでなく、それ以上の損失を生むおそれもあります。

しかし、その分だけ高い利益を生み出せる可能性も秘めていることからよく注目されているのが投資です。投資とは「そのもの自体から収益を得られる」ことであり、現金以外の資産も投資による運用が可能です。

その典型的な例として、不動産投資が挙げられます。マンションなどを建設して賃貸経営をすれば、家賃収入を生み出すことができます。土地の特徴をうまく生かした運用方法と言えるでしょう。

 

貯蓄と投資を利用して運用する

ここまでご説明したとおり、貯蓄も投資も資産の特徴を生かして価値を高める方法です。

資産を失うリスクがかなり低いという点では貯蓄が魅力的ですが、価値を高めやすいかどうかという点では貯蓄は投資に劣る面もあります。投資はリスクを負う分だけリターンが大きいものが多いからです。

資産運用の性質を説明するときに「ハイリスクハイリターン」「ローリスクローリターン」という言葉がよく用いられますが、リスクが極めて低い貯蓄は運用しても資産価値が高まりにくいのです。投資は種類によってリスクの高さもリターンの大きさも異なります。

資産価値を高めやすいのなら、全部投資に回せば良いと思う人もいるでしょう。しかし、投資にはリスクを伴うので最悪の場合には資産を全て失ってしまいます。

生活をしていくうえでも、老後の対策をするうえでも、ある程度の資産は維持していく必要があるでしょう。一方、リスクを恐れて投資をせず貯蓄だけにしてしまうと、せっかく持っている資産をうまく活用できずに価値を漸減させるだけになってしまいます。

資産を上手に運用していくには、貯蓄と投資をバランスよく利用していくのが効率的で安全性も高い方法と考えられるでしょう。一方だけにこだわらずに資産運用を検討するのが、賢い考え方なのです。

資産形成とはなにか

次に「資産形成」とは何かを理解しましょう。

資産形成の意味は読んで字の如く「”資産”を”形成すること自体”を指す」のが基本的な定義です。

資産運用との違いは後述しますが、資産形成のイメージを持てるように具体例を確認してみましょう。

例えば、「2000万円の資産形成の為に、株式投資を始めた」のように使います。

例で出した株式投資は資産形成の為の行動ですが、他にも

1)仕事の給料を貯蓄する
2)本業以外に副業をして貯蓄する
3)生活費を削って貯蓄を増やす

などの行動があります。

賢明な読者各位はもうお気づきかと思いますが、株式投資も1~3の行動(=貯蓄を増やす)も全て、資産運用に帰結します。

資産形成の初期は貯蓄がメイン

資産形成の具体例を見てみると働いて稼ぐことに加え、支出を減らすことも資産形成に含むことがわかるでしょう。資産形成の初期には、これらの行動によって貯蓄を増やす事が一般的なのです。

貯蓄を増やすための行動とは
  • 就職する
  • 労働時間を増やして残業代を受け取る
  • 節電をして光熱費を減らす など

余剰資金が生まれてきたところで投資を開始すると将来的に有用な資金を生み出せるでしょう。

このように「収入を増やして支出を減らす」行為は全て資産形成に結び付くのです。

余剰資金としてどのくらいあれば投資に踏み切っても良いのかは、疑問に思う人が多いポイントです。

これだけあれば十分という金額が定義されているわけではありませんが、目安としては300万円くらいあると落ち着いて投資活動を進めることができるでしょう。

投資資金が多いと投資による利益もそれなりの金額になります。努力をする意義を見出せる=途中で心が折れないという点でも、最初からこの程度を用意するのが賢明です。

資産運用と資産形成の違い

ここまで資産運用と資産形成について解説してきましたが、結局この二つは何が違うのかご理解いただけたでしょうか。

どちらも結局は資産を増やすためのものなのではないかというイメージになってしまい、区別が付かなくなってしまっているかもしれません。

ここであらためて資産運用と資産形成を比較して、違いを明確にしておきます。

これまでも触れてきたように、資産を運用するのと形成するのは基本的な考え方が違うので、正しく区別できるようになりましょう。

資産運用は資産形成を行う「手段」

資産運用と資産形成の関係を理解するには「目的」と「手段」で分けられていると考えると良いでしょう。

上の例でも出しましたが、老後の為に2000万円を貯める場合…

2000万円を貯めること自体が資産形成であり目的です。

その手段として、投資と貯蓄という2つの資産運用の方法があるのです。

また、貯蓄という資産運用の為に、

・給料を浪費せずに貯める
・バイトをする
・光熱費を節約する

などの、資産形成の為の行動があります。

このような関係性を理解できると、資産形成と資産運用の違いが明確になったことと思います。

つまり、資産形成という目的を達成するための手段として資産運用があるのです。

では、上でも書きましたが、なぜ資産形成の初期には、投資ではなく貯蓄を増やすことを優先させるべきなのでしょうか?その理由について、次に詳しく述べます。

投資による資産運用で資産形成のスピードが加速

投資による資産運用は、ある程度の資産形成を終えた後に取り組むと良いです。

貯蓄でも十分ではないかという人もいるかもしれませんが、本当にそれで良いかはその時代の流れを汲んでよく考えなければなりません。

現代日本はマイナス金利時代

かつてのような高金利時代であれば、銀行に預けておくだけで十分に資産形成ができたでしょう。金利が高かった高度経済成長期には、定期預金で安全かつ着実な資産形成が可能でした。

しかし、低金利時代あるいはゼロ金利時代と呼ばれる現代社会では、銀行や郵便局に預貯金をしておいても年利0.1%にすら届かない場合が多くなっています。資産の安全性という意味では良いかもしれませんが、資産形成という観点ではあまり大きな効果を期待できないのが現状です。

せっかく築き上げてきた資産だからこそ、もっと大きな資産にしたいと思う人もいるでしょう。貯蓄ではそのスピードがかなり遅く、資産の価値を大きく高められないのが現代社会です。

効率的に資産形成を進めるには、投資による資産運用がカギになります。貯蓄で安全に資産を守っていこうと考えるのではなく「持っている資金はうまく運用する」という考え方で投資を進めていくことで、資金形成のスピードを加速させていきましょう。

資産運用を行うには貯蓄が必要なのか

資金運用による資産形成をしていきたいと考えたときに、本当に貯蓄が300万円くらい必要なのかと疑問に思う人もいるでしょう。

もっと少ない資産からでも運用して増やせるのではないかと考えるかもしれませんが、資産を効果的に増やすためには元手が必要なのが事実です。

それでは、なぜ資産運用には貯蓄がなければならないのでしょうか。ここではその根拠となる二つのポイントについて紹介し、最初にまず貯蓄を行うべきだということをわかりやすく解説します。

資金が少ないと効果が薄い

貯蓄がほとんどない状況で資産運用をしようとした場合の問題点として、まず一つに「元手になる資金が少なくなってしまう」ことが挙げられます。

投資によって資産形成をするときには、投入した資金が大きいほどリターンも大きくなるのが基本です。

資金とリターンの関係

ある投資で10,000円を費やして12,000円のリターンを得られたとしましょう。この場合には2,000円の利益が得られたことになりますが、もっと大きい金額を投入しても同じ倍率で利益が得られるような投資もあります。
もし余剰資金が十分にあって100,000円も投入できていたら、この投資だけで20,000円の利益が得られることになるのです。

運用する金額が少ないと得られる利益も小さいため、期待しているような資産形成がなかなかできません。

投資にはリスクがつきものですが、わずかな利益を得るために失敗するかもしれないという心配をしていると、やがて心身ともに疲弊してしまうでしょう。苦労してようやくわずかばかりの資産を増やすというのでは心が持たず、長期的に投資活動を行うのが難しくなってしまいます。

投資に成功すればそれなりに資産が増えることが見込めるほどの余剰資金ができるまでは、貯蓄をするのが無難なのです。

コストとリターンのつり合いが悪い

また、投資による資産運用を開始する際に、ある程度の資金を用意できていないと「コストとリターンのつり合いがかなり悪くなる」のも問題点の一つです。

資産運用では、様々なコストを考慮しておく必要があります。単純に考えられるのは投入した資産あるいはそれ以上を失う可能性があるという金銭的コストですが、実際にはそれ以外にも体力的、精神的、そして時間的コストがかかります。

投資活動における「コスト」とは
  • 投資そのものにかかる金銭的コスト
  • 情報収集や知識の習得にかかる体力的・時間的コスト

投資による資産形成で成功するためには、どのように投資するかを考えたり様々なソースを活用して情報を収集する必要があるため、時間も労力もかかります。

そのため「少しの金額を失っただけで運用資産がなくなってしまう」といった状況で投資を始めた場合、仮に成功してもわずかな利益しか得られないのにもかかわらず、神経をすり減らして資金投入をしなければならなくなるでしょう。

このように体力的・精神的な負担やストレスに見合ったリターンを得られないと、資産が増えたとしても損をしてしまったような感覚に陥りかねません。

元手になる資産が少ない場合、総合的なコストに対して得られるリターンが少なくなりがちです。投資は元手が十分にある状態で始めたほうが効果が高く、効率的に資産を増やすことができます

努力に見合ったリターンを得ることができれば、資産形成に取り組むことへのやりがいも大きくなるでしょう。

投資にひそむリスクを考える

資産形成を目的として行う資産運用では、現代社会の状況を考慮すると貯蓄では十分ではありません。

資金を投入して納得できるような金額のリターンを得て、スピード感のある資産形成をするには、投資に取り組むことが必要不可欠です。

ただ、今までも言及してきたように、投資にはリスクが潜んでいます。

ここでは「リスクが低い投資」と「リスクが高い投資」に分けて、それぞれどのような投資が存在するのか、可能性としてどのようなリスクがあるのかを考えてみましょう。

リスクが低い国内の預貯金や債券

資産運用で最もリスクが低いのは国内の預貯金ですが、一般的にはノーリスクと捉えられて貯蓄に分類されます。その他の低リスクな投資としては、国債や地方債などの国内債券が挙げられます。

国内の預貯金
国内の預貯金の場合、万が一銀行が倒産したとしても残高のうちの最大1,000万円までは保証されるので、安心度の高い貯蓄です。定期預金を使えば、資産を失うリスクをほとんど持たずに比較的高い金利で運用できます。

しかし、前述のようにゼロ金利政策が続いている現代においては、貯蓄はあくまでもローリスクローリターンと考えざるを得ません。

国内債券
もう少し資産形成を加速させたいなら、国債や地方債などの国内債券も候補になります。

国債なら5年や10年の個人向け国債が発行されていて、国が存亡の危機にならない限りは利息付きで資産が返ってくるでしょう。地方債も同様で、長期運用になるもののリスクはかなり低い投資商品です。

個人向け社債
国債や地方債に比べると少しリスクは高くなりますが、個人向け社債も選択肢の一つに挙げられます。

発行している企業が倒産してしまった場合には元本も失い、利息の支払いもない信用リスクがあるので注意は必要ですが、安定した基盤のある大手国内企業を選んでおけば比較的安全に投資ができます。

格付けを参考にして選ぶとリスクを最小限に抑えられるでしょう。

不動産や株式にはリスクがある

リスクが高い投資の代表例としては、不動産投資や株式投資が挙げられます。他にも先物取引やFX取引などの色々なハイリスクハイリターンの投資がありますが、ここでは不動産投資と株式投資のリスクの高さを解説します。

不動産投資
不動産投資では土地と建物を購入して賃貸経営によって収入を得ていき、最後には土地も建物も売却して売却益も手に入れるのが基本です。

しかし、地価の変動リスクがあるので購入価格よりも売却価格の方が低くなることも珍しくありません。地域によっては変動幅が大きくて売るタイミングの判断が難しいケースもあります。

賃貸経営においても空室状態が続くリスクのほか、地震などの自然災害によって建物が倒壊するリスクもあるという点には注意が必要です。相続税対策などにも活用できることは知られていますが、大損をするリスクもあるので気をつけなければなりません。

株式投資
株式投資は株価の値動きによって大きな利益を得られることもあれば、大損をすることもあるのが特徴です。株式投資は売買のタイミングの見極めが難しく、少し誤っただけで多額の損失を被るおそれもあります。

継続的に安定したリターンを得るためには、経済動向や企業の事業方針などの様々な要因を重ね合わせて考え、利益を得られる売買の仕方を身につけなければなりません。

資産を運用するためのコストとは

資産運用をするときにはコストがかかるということは、今までも少し触れてきました。体力的、精神的なコストもあるのは確かですが、ここでは資産形成という観点から金銭的コストに着目して解説します。

資産を運用するためにコストがかかるとなると、メリットがあるのかと悩むかもしれません。なぜコストがかかるのか、そのメリットとデメリットは何なのかがわかりやすいように説明するので、資産運用コストの実態を詳しく理解しておきましょう。

専門家に相談する場合

資産運用の仕方がわからないときや、より良い運用方法をアドバイスしてもらいたいときなどには専門家に相談することが可能です。

資産運用はもはや全国的なトレンドとして定着しつつあり、効率的に運用したいという人に向けたサポートサービスが充実してきています。

資産運用についてサポートを受けられるサービスは基本的に有料です。証券会社や公共団体による無料相談会もありますが、多くの場合は費用がかかります。

しかし、資産状況や運用の方針に応じて適切なやり方を提示してもらえることに加え、相談先によっては具体的に「この銘柄を買うべき」といったアドバイスも受けられるので、スムーズに資産形成を進められるでしょう。

専門家によっては、資産運用そのものを委託することも可能です。昔から提供されている金融機関のサービスとして挙げられるのが「ラップ口座」です。

ラップ口座について

ラップ口座は投資専用の口座にある程度まとまった資金を預け、その運用を金融機関の担当者に任せるというもので、担当者はどのような形で資産運用をしたいのかをヒアリングした上で運用方針を定めてくれます。
そのための費用を支払う仕組みになっていて、一般的には生み出した利益に比例するコストがかかります。

この他にも、広い意味では投資信託も運用を委託する方法です。投資信託には信託報酬や管理手数料がかかるので、0.5%~3%くらいの範囲で支払いを続けることになります。

運用コストのせいでマイナスになることもある

専門家に運用を委託すれば「きっと成功するに違いない」という期待感が持てるでしょう。

確かにプロの運用ということで安心感はありますが、運用によって利益を得られているのに資産は減っていくこともあるので注意しなければなりません。

なぜなら、相談だけのサービスに比べると運用の委託はコストがかかりすぎてしまう場合が多いからです。せっかく利益を得られても、手数料の支払いによってマイナスになる可能性もあることは念頭に置いておく必要があります。

委託先としては十分に手数料取らないと人件費をまかなえないため、一般的に手数料は安いとは言えません。投資信託ですら運用コストが理由で資産を減らしてしまっているケースがあるので気を付けましょう。

しかし、投資は素人が自分なりの方法で運用しようとすると、損失を被るリスクが大きいのも事実です。安全性を重視して資産運用を委託するのであれば、自分なりに基準を決めてイメージどおりに資産を増やせるかどうかを見極めましょう。

効率よく資産を増やす方法とは

ここまで資産運用と資産形成について解説してきましたが、結局、資産を効率的に増やすにはどうしたら良いのでしょうか。

資産運用で資産を増やすためには投資が必要だということは繰り返しお伝えしてきました。しかし投資は金銭的リスクも大きく、場合によっては資産を失ってしまうこともあります。

それでも効率よく資産を増やす方法はあるのでしょうか。最後に自信を持って資産を増やしていけるようになるには、どんな流れで準備をしたら良いかを解説します。

投資について自分で学ぶ

何よりも先に、投資について自分なりに理解を深めましょう。

専門家に相談しようと思っても、予備知識が何もないと「何を知りたいのか」「何が不安なのか」といったことを言葉にして説明することすら困難です。

今は投資の専門家もたくさんいるので、誰に相談したら良いのかを決めるのも難しいでしょう。「誰でもいいからとにかく専門家に委託してしまえば安心だ」と思っている人こそ注意が必要です。専門家の良し悪しを見極めることができなければ、思うような成果が出ない可能性もあります。

最低限の知識をつけることは資産運用によって資産を増やすための入り口だと考えて、初歩的なことから着実に学んでいきましょう。

完全に他人任せになってしまうと、投資は失敗するリスクが高まります。自分自身で投資のリスクやリターンのあり方を理解して、いつどのような方法で投資をすべきかを見極めることが大切です。

専門家に相談するときに、具体的な資産運用のイメージを持っているとスムーズに話が進みます。相談先によってはかなり知識が少なくてもフォローしてもらえますが、ゼロからのスタートではかなりの時間がかかることは否めません。

まずは主体的に学んで「今後の投資は自分の力で進めていく」と決めましょう。

必要な場合は専門家へ相談

投資について必死に勉強して、知識が身についてきた実感があっても、いざ資産運用を開始しようと思った段階で躊躇してしまうことはよくあります。

貯めてきたお金をリスクのある運用に回そうとすると、誰もが失敗を恐れがちです。どれだけ勉強したとしても、実際の投資経験がないために不安ばかりが募ってしまい、いつまでも始められずに足踏み状態が続いてしまうことは少なくはありません。

このようなときこそ投資の専門家に相談して、不安を払拭しましょう。専門家に相談すれば、今の状況で自分が考えているような投資をして良いものかどうかをアドバイスしてくれます。

リスクが高すぎるようなときには指摘し、別の方法や改善案を提示してくれるので安心して投資を始められます。必要なときには専門家に相談するというスタンスで資産運用をするのは合理的な進め方です。

また、投資活動をするうちに、今度は思い切って大きな金額を動かしたいと思うようになることもあります。その際にも、リスクを低減しつつ投資に踏み切れるように専門家のアドバイスを受けるのが賢明です。

不安を感じるようなときには躊躇せずに専門家に相談し、安心して投資による資産運用を続けられるようにしましょう。

まとめ

資産を増やしたいと思ったら、まず最初に「資産運用」と「資産形成」の関係を正しく理解しておくことが大切です。資産形成が資産を増やすという目的を指すのに対し、それを達成する手段の一つとして挙げられるのが資産運用で、資産運用は貯蓄と投資の2つの道に分けられます。

資産を築き上げるには、最初に貯蓄を作ることから始めましょう。そして、まとまった金額を動かせるようになってから投資に進みます。投資にはリスクがあるのは確かですが、低金利政策が進められている現代社会では築き上げてきた資産を有効活用する重要な方法です。

加えて、投資を始めるときには自分自身で資産運用に関する理解を深めておくことが欠かせません。ある程度勉強をしたら専門家に適宜相談して、投資への不安を払拭しながら資産を動かしていきましょう。

この記事を監修した専門家
ウェルスパス投資顧問代表 渡邉
ウェルスパス投資顧問
複数の大手外資系証券会社で日本株式ディーリング業務に計20年以上従事。運用結果がシビアに評価される中で最大1,000億円の運用を任される。特に、成長株の分析及び投資戦略が得意。
現在は、ウェルスパス投資顧問(関東財務局長(金商)第3014号、一般社団法人日本投資顧問業協会所属)の代表 兼 銘柄分析者 兼 投資助言者として会員へアドバイスを行う。
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