投資の種類とそれに伴うリスクおよびそれを軽減する方法
この記事を監修した専門家
ウェルスパス投資顧問代表 渡邉
ウェルスパス投資顧問
複数の大手外資系証券会社で日本株式ディーリング業務に計20年以上従事。運用結果がシビアに評価される中で最大1,000億円の運用を任される。特に、成長株の分析及び投資戦略が得意。
現在は、ウェルスパス投資顧問(関東財務局長(金商)第3014号、一般社団法人日本投資顧問業協会所属)の代表 兼 銘柄分析者 兼 投資助言者として会員へアドバイスを行う。
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資産形成をするには、預貯金の低金利や、賃金の昇給が中々見込めない現代社会の状況を考慮すると貯蓄だけでは十分ではありません。よりスピード感のある資産形成をするには、投資に取り組むことが必要不可欠です。

ただ、投資にはリスクが潜んでいます。

ここでは「リスクが低い投資」と「リスクが高い投資」に分けて、それぞれどのような投資が存在するのか、可能性としてどのようなリスクがあるのかを紹介します。

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投資のリスクについて

投資のリスクは、投資の種類毎に異なります。

リスクが低い投資

資産運用で最もリスクが低いのは国内の預貯金です。預貯金は投資ではなく、貯蓄に分類されますが、比較の為に紹介しています。

国内の預貯金
国内の預貯金の場合、万が一銀行が倒産したとしても残高のうちの最大1,000万円までは保証されるので、安心度の高い資産運用方法です。定期預金を使えば、資産を失うリスクをほとんどなく比較的高い利息で運用できます。

しかし、ゼロ金利政策が続いている現代においての利息は知れており、預貯金はローリスクローリターンの資産運用方法と言えます。

国内債券
もう少し資産形成を加速させたいなら、国債や地方債などの国内債券も候補になります。

国債なら5年や10年の個人向け国債が発行されていて、国が存亡の危機にならない限りは利息付きで資産が返ってくるでしょう。地方債も同様で、長期運用になるもののリスクはかなり低い投資商品です。

個人向け社債
国債や地方債に比べると少しリスクは高くなりますが、個人向け社債も選択肢の一つに挙げられます。

発行している企業が倒産してしまった場合には元本も失い、利息の支払いもない信用リスクがあるので注意は必要ですが、安定した基盤のある大手国内企業を選んでおけば比較的安全に投資ができます。

格付けを参考にして選ぶとリスクを最小限に抑えられるでしょう。

リスクが高い投資

リスクが高い投資の代表例としては、不動産投資や株式投資が挙げられます。他にも先物取引やFX取引などの色々なハイリスクハイリターンの投資がありますが、「投資としてできるし、やっている人はいるが、投機として使われることが多いプロダクト」として割愛します(参考:投資リスクとは何か?)。

不動産投資
不動産投資では土地と建物を購入して賃貸経営によって収入を得ていき、最後には土地も建物も売却して売却益も手に入れるのが基本です。

しかし、地価の変動リスクがあるので購入価格よりも売却価格の方が低くなることも珍しくありません。地域によっては変動幅が大きくて売るタイミングの判断が難しいケースもあります。

賃貸経営においても空室状態が続くリスクのほか、地震などの自然災害によって建物が倒壊するリスクもあるという点には注意が必要です。相続税対策などにも活用できることは知られていますが、大損をするリスクもあるので気をつけなければなりません。

株式投資
株式投資は株価の値動きによって大きな利益を得られることもあれば、大損をすることもあるのが特徴です。株式投資は売買のタイミングの見極めが難しく、少し誤っただけで多額の損失を被るおそれもあります。

継続的に安定したリターンを得るためには、経済動向や企業の事業方針などの様々な要因を重ね合わせて考え、利益を得られる売買の仕方を身につけなければなりません。

投資リスクを軽減する方法

これまで紹介してきたように投資には金銭的リスクがあり、場合によっては資産を失ってしまうこともあります。

とは言え、現代においては貯蓄だけでは十分ではなく、よりスピード感のある資産形成をするには、投資に取り組むことが必要不可欠です。

ここでは、投資リスクを軽減するためにどうすれば良いかを紹介します。

投資について自分で学ぶ

何よりも先に、投資について自分なりに理解を深めましょう。

専門家に相談しようと思っても、予備知識が何もないと「何を知りたいのか」「何が不安なのか」といったことを言葉にして説明することすら困難です。

今は投資の専門家もたくさんいるので、誰に相談したら良いのかを決めるのも難しいでしょう。「誰でもいいからとにかく専門家に委託してしまえば安心だ」と思っている人こそ注意が必要です。専門家の良し悪しを見極めることができなければ、思うような成果が出ない可能性もあります。

最低限の知識をつけることは資産運用によって資産を増やすための入り口だと考えて、初歩的なことから着実に学んでいきましょう。

完全に他人任せになってしまうと、投資は失敗する可能性が高まります。自分自身で投資のリスクやリターンのあり方を理解することが大切です。

専門家に相談するときに、具体的な資産運用のイメージを持っているとスムーズに話が進みます。相談先によってはかなり知識が少なくてもフォローしてもらえますが、ゼロからのスタートではかなりの時間がかかることは否めません。

まずは主体的に学んで「今後の投資は自分の力で進めていく」と決めましょう。

必要な場合は専門家へ相談

投資について必死に勉強して、知識が身についてきた実感があっても、いざ資産運用を開始しようと思った段階で躊躇してしまうことはよくあります。

貯めてきたお金をリスクのある運用に回そうとすると、誰もが失敗を恐れがちです。どれだけ勉強したとしても、実際の投資経験がないために不安ばかりが募ってしまい、いつまでも始められずに足踏み状態が続いてしまうことは少なくはありません。

逆に、自分流で初めてしまった結果、大損をすることも往々にしてあります。

これらのことより、まずは投資の専門家に相談することをおすすめします。専門家は、今の状況で自分が考えているような投資をして良いものかどうかをアドバイスしてくれます。たとえば、リスクが高すぎるようなときには指摘し、別の方法や改善案を提示してくれます。必要なときには専門家に相談するというスタンスで資産運用をするのは合理的な進め方です。

費用がかかっても躊躇せずに専門家に相談し、安心して投資を続けられるようにしましょう。その方が結果的に、投資による大損を防ぐことができます。