株式投資におすすめの証券会社8選!選び方のポイントも詳しく解説

これから株式投資を始めたいと思っているけれど、どの証券会社で口座開設をしたら良いのかがわからずに始められないでいる人もいるでしょう。もったいないことです。

反面、証券会社は数がたくさんあるので、どこを選んだら納得できる形で取引ができるのかを見極めるのが難しいのはもっともなことです。

この記事では株式投資をするのにおすすめの証券会社を8つ紹介します。証券会社の役割という基礎的なところから説明をするので、口座を開設する証券会社を選べるようになりましょう。

「証券会社」とは?


口座開設をする証券会社を選ぶうえでは、そもそも証券会社とは何かを理解することが必要です。

証券会社という会社があることは知っていても、実際どのようなサービスをしている会社なのかがイメージできていない人もいるでしょう。証券会社とは、株式を筆頭格に様々な証券の取引を取り次いでくれる会社を指します。

証券会社の役割

株式投資をするときには、その資金と証券を扱うための証券口座を開設することが必要です。その口座管理をしてくれるだけでなく、取引の役に立つツールも提供してくれるなど、投資家をサポートするサービスを多岐にわたって提供しています。

口座開設をするときに証券会社選びが重要だと言われているのには理由があります。売買手数料や取扱商品などが、証券会社によって異なっているからです。

証券会社の種類

証券会社を選ぶ必要性がわかったところで次に理解しておきたいのが、証券会社の種類です。日本では多数の証券会社を利用できますが、種類によって性質が異なるので口座を開設するときには注意しましょう。

証券会社は大きく分けて、店舗証券とネット証券の二種類があります。

店舗証券
店舗証券とは実店舗を設けて店頭での取引や電話などを用いた取引に対応している証券会社です。口座を開設すると担当者が選任され、その担当者を通じた取引をするのが一般的です。

担当者に取引手続きを任せることになる影響で手数料が高い傾向がありますが、口頭で説明するだけで取引ができるのが魅力です。

ネット証券
ネット証券とはインターネットを通じて取引をする仕組みになっている証券会社です。オンラインシステムにアクセスして、投資家が自由に銘柄を選んで取引をすることができます。

店舗証券とネット証券の違い

店舗証券とネット証券のどちらが良いかを判断するには、違いを明確にすることが大切です。

実店舗を構えているかどうか
まず定義にも関わるところで、実店舗があるかどうかが異なります。店舗証券は実店舗があって顧客対応のための窓口が設けられていますが、ネット証券では店舗がなくてオンライン取引に限定されるのが一般的です。

営業担当者がいるかどうか
口座開設をしたときに営業担当者が選任されるかどうかも相違点です。店舗証券では担当者が決まって取引をするときの連絡窓口ができます。これに対してネット証券では営業担当者はつきません。自分でオンラインシステムを使って注文をすることになり、質問があったときにもコールセンターやメールなどを使用して問い合わせることになります。

投資に関する相談ができるかどうか
また、投資に関する相談をしたり、助言を受けたりするサービスがあるかどうかも違います。一般的に店舗証券では担当者に投資相談をすることが可能で、希望すれば資産運用について総合的にコンサルティングしてもらうこともできます。

しかし、ネット証券ではチャットで質問できるサービスが提供されている程度で、基本的には自分自身の力で判断して投資に取り組まなければなりません。

店舗証券とネット証券、どちらを選ぶべきか

このような違いを考えると、店舗証券とネット証券はどちらが良いのでしょうか。端的に言ってしまえば、それぞれにメリットもデメリットもあるので、何を重視するかによって決める必要があります。

店舗証券は営業担当者と話をしながら投資を進められるので安心感があるでしょう。自己判断で進めなければならないネット証券は、初心者には不安になる可能性があります。

しかし、店舗証券では注文も営業担当者を介して行うので、注文をしたときにタイムラグが発生してしまうのがデメリットです。電話をかけたのにつながらない、担当者が休みで他の人に相談したら話が伝わらない、といったことも起こり得ます。ネット証券のように、自分で判断した瞬間に売買の注文を出すことはできないのです。

インターネット環境さえあれば思い立ったときにすぐに注文を出せる点でも、ネット証券は利便性が高いと言えます。「スムーズな取引ができるかどうか」という観点では、ネット証券の方が圧倒的に優れているでしょう。

また、店舗証券では営業担当者がつくため、そのコストの分がやや割高な手数料として反映されています。店舗証券も安い手数料でのネット取引を扱っていますが、ネット証券の方が遙かに手数料が安いです。総じて考えると、個人投資家の場合にはネット証券はメリットが多くおすすめできます。

証券会社を選ぶときのポイント

証券会社を選ぶときには、種類だけ考えれば良いというわけではありません。店舗証券もネット証券もたくさんあるので、その中からベストの証券会社を見つけることが大切です。

その判断基準は、何に着目したら良いのでしょうか。証券会社を比較するときに重要なポイントとして以下の3つが挙げられます。

  1. 注文機能
  2. 取引手数料
  3. 情報や分析ツール充実度

それぞれの観点について何を考慮すべきかを詳しく解説するので、証券会社を選ぶときには丁寧に確認するようにしましょう。

注文機能で選ぶ

証券会社を選ぶときには、注文機能を比較してみるのが大切です。
株式投資をするときの一般的な注文方法として、以下の3種類があります。

  1. 成行
  2. 指値
  3. 逆指値

成行は最も単純でイメージしやすい注文方法で、買うときも売るときも特に価格を指定せずにとにかく売買したい時に使います。一方、指値で注文をする場合は価格を指定することが可能です。「買うときにはいくら以下、売るときにはいくら以上」という指定ができます。

成行注文と指値注文はどの証券会社でも対応していますが、逆指値注文については対応していない証券会社もあるので注意しましょう。

逆指値とは

逆指値とは、条件を設定しておくことにより自動的に売買の注文を出すシステムです。例えば、この価格よりも低くなってしまったときには損切りをしたいというときに、逆指値注文をしておけば自分が株価を見ていなかったときでもその価格以下になったらすぐに売り注文が出されます。逆にこの価格以上になったら買うというときにも、逆指値注文をすることが可能です。

逆指値注文は損切りや上値追いのタイミングを見落とさずにトレードができるようになる重要な機能なので、逆指値注文が可能な証券会社を選びましょう。

 

取引手数料で選ぶ

証券会社を選ぶときには、取引手数料を重視するのもポイントです。

証券取引では、売買をするときに取引手数料を支払うことになります。その手数料が安ければ安いほど取引にかかるコストを抑えることが可能です。取引で利益を得るためには手数料分もカバーしなければならないので、手数料が安い証券会社ほど資産形成をしやすいと考えられるのです。

手数料の違い

一般的にネット証券は店舗証券よりも取引手数料が安くなっています。ネット証券は店舗経営をしていないので営業コストが低く、その分を手数料から差し引いてくれているのです。

ただし、ただ安いところを選べば良いというわけではありません。

取引手数料は証券会社の利益なので、あまりにも安い場合には他の部分でコスト削減をしていると考えられるでしょう。手数料が安い一方で、情報があまり充実していない、ツールが簡素で使いづらい、といったケースもあります。

また、経営不振になるリスクを抱えている可能性もあるので「安かろう悪かろう」にならないように総合的に満足できる証券会社なのかを考えることが大切です。

後述の情報やツールの充実度を加味しつつ、経営が安定している証券会社の中から手数料が安いところを選ぶのが賢い方法です。これらのバランスが取れている会社なら、安心して投資に使えます。

情報や分析ツールの充実度で選ぶ

さらに、投資をしやすいかどうかという視点で証券会社を選ぶのもポイントです。

証券会社では利用者のために様々な情報を提供しています。また、取引をしやすくするためのツールも取り入れていることが多く、株価チャートを表示して多様な分析を簡単にできるようにしているのが一般的です。

ただ、情報の量や質、ツールの使いやすさや機能の充実度は証券会社によってかなり違いがあります。

店舗証券の場合
店舗証券では、情報を重視して営業担当者から様々な種類の情報を提供している傾向があります。

ツールの代わりに営業担当者を教育して優れたアドバイザーとして立ち回れるように努力しているのも特徴です。そのため、店舗証券では営業担当者の良し悪しに左右されることが多くなっています。

ネット証券の場合
一方、ネット証券ではオンラインシステム上で多岐にわたる情報を提供していて、自分で自由に取得できるのが一般的になっています。ツールの機能は競い合うようにして充実させている会社が目立ちます。

ほとんどが無料か安い価格で利用できるので、より自分に合っているのはどこかという視点で選ぶのが良い方法です。ツールについてはデモで試せる証券会社もあるので、実際に使いこなせるかを試してみましょう。

株式投資におすすめの証券会社8選

ここまで証券会社の選び方について詳しく解説してきましたが、結局どの証券会社を選んだら良いのかと悩んでしまう人もいるでしょう。

以上のポイントを押さえて証券会社を選ぶなら、以下の8社がおすすめです。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • ライブスター証券
  • マネックス証券
  • 岡三オンライン証券
  • GMOクリック証券
  • 松井証券
  • auカブコム証券(旧カブドットコム証券)

8社もおすすめがあるのは、それぞれの証券会社が異なる特徴を持っているからに他なりません。注文機能や現物取引手数料、情報やツールの状況を加味して、各々の特徴を紹介します。

尚、以下の情報は、2020年11月20日現在のものです。

SBI証券

SBI証券はネット証券の中でも500万を超える口座を提供している、業界でも屈指の支持を得ている証券会社です。

逆指値注文だけでなくSOR注文やIOC注文などにも対応しているので、上級者も納得できる注文機能の高さを誇っています。「PTS取引」も取り入れているので証券取引所が閉まった後でも取引できるのも特徴です。

SBI証券の現物取引手数料には、注文ごとにかかる「スタンダードプラン」と1日あたりで決まる「アクティブプラン」があります。

スタンダードプラン アクティブプラン
  • 5万円まで55円
  • 10万円まで99円
  • 20万円まで115円
  • 50万円まで275円
  • 100万円まで535円
  • 150万円まで640円
  • 3000万円まで1013円、
  • 3000万円以上:1070円
  • 100万円まで:手数料0円
  • 200万円まで:1278円
    (以後は100万円増加ごとに440円)

アクティブプランでは100万円までは手数料が0円なのが特徴で、少額取引に向いています。ただし、100万円を超えると200万円までは1278円と高めになります。

SBI証券では「HYPER SBI」と呼ばれる12種類ものチャートタイプに対応していて、テクニカル分析に強い高度なツールを提供していることで定評があります。株取引用のアプリも高機能で、上級者でも納得できる仕上がりになっているのが魅力です。

楽天証券

楽天証券は大手の楽天グループが運営する証券会社で、楽天スーパーポイントとの連携があって手数料も低いことから強い支持を得ています。

日経テレコンなどを閲覧できるなどの情報提供力が優れていることに加え、逆指値注文やIOC注文、SOR注文に対応していて、PTS取引もできることから注文機能も申し分ありません。

現物取引手数料の決め方には「超割コース」と「いちにち定額コース」があります。

超割コース いちにち定額コース
  • 5万円まで:55円
  • 10万円まで:99円
  • 20万円まで:115円
  • 50万円まで:275円
  • 100万円まで:535円
  • 150万円まで:640円
  • 3000万円まで:1013円、
  • 3000万円以上:1070円
  • 50万円まで:手数料0円
  • 100万円まで:943円
  • 200万円まで:2200円
    (以降は100万円増加ごとに1100円)

1注文の約定代金で決まる超割コースでは、信用取引や投資信託などで条件を満たすと大口優遇が適用されますが、3000万円以上の運用が必要です。一方、いちにち定額コースでは50万円までは無料で対応してもらえますが、50万円を越えると手数料が割高になります。

楽天証券のツールは分析ツールとしては平均的なレベルですが、情報やニュースの配信の早さやカスタマイズのしやすさで高い人気があります。直感的に欲しい情報を見つけられるユーザー視点の設計がなされている点でも使い勝手が良いツールです。

ライブスター証券

ライブスター証券は現物取引手数料の安さが最大の人気の理由となっている証券会社です。サービス面も他社に劣っているわけではありませんが、上級者よりも初心者向きの情報提供に力を入れています。

注文機能は逆指値もできますが、IFD注文やIFDO注文、IOC注文、OCO注文などにも対応しているので高度な株式取引ができるでしょう。

現物取引手数料のプランは一律(つどつど)プランと定額(おまとめ)プランの二種類があります。

一律(つどつど)プラン 定額(おまとめ)プラン
  • 5万円まで:55円
  • 10万円まで:88円
  • 20万円まで:106円
  • 50万円まで:198円
  • 100万円まで:374円
  • 150万円まで:440円
  • 3000万円まで:660円
  • 3000万円以上:880円
  • 50万円まで:440円
  • 100万円まで:440円
  • 150万円まで:660円
  • 200万円まで:1100円
    (以降は100万円増加ごとに440円)


ライブスター証券のツールは機能の充実度を抑え気味にすることでわかりやすく設計し、初心者でも気軽に使えるようになっています。マウスだけで簡単に注文も出せる仕組みになっているので気軽に使えるツールが欲しい人に向いています。

マネックス証券

マネックス証券は大口での取引にも有利な手数料体系があり、証券特化の事業を展開しているからこその情報提供量の多さを誇っているのが特徴です。

マネックス証券逆指値注文やSOR注文に加え、連続注文やリバース注文といった約定したかどうかを基準に次の注文を発注するかどうかを決める独自の仕組みも取り入れているのが魅力です。

マネックス証券では現物取引に「取引毎手数料コース」と「一日定額手数料コース」を用意しています。

取引毎手数料コース 一日定額手数料コース
  • 10万円まで:110円
  • 20万円まで:198円
  • 30万円まで:275円
  • 40万円まで:385円
  • 50万円まで:495円

1日の約定代金が300万円ごとに1ボックスとして何ボックス使用したかで手数料が変わります。
1ボックスあたりの手数料は月間に利用したボックス数によって異なります。

  • 20回以下;2750円
  • 21~120回;2475円
  • 121回目以降;1815円です。

なお、スタンダードプランでは50万円を超えると成行注文と指値注文で手数料が変わります。100万円までは成行注文なら1100円、指値注文では1650円で、指値をすると手数料が高くなるので注意しましょう。100万円を超えたときも同様で、成行注文では約定代金の0.11%、指値注文では0.165%です。

ただし、公式アプリの「マネックストレーダー株式 スマートフォン」を使うと50万円を超えたときの手数料が一律で約定金額の0.11%でお得になります。

マネックス証券のツールは、高度で操作性が良いことから人気です。ユーザーインターフェースが優れていて、テクニカル分析もしやすいことから初心者も上級者も満足できるでしょう。

岡三オンライン証券

岡三オンライン証券は少額取引が可能でIPO株の取り扱いが多く、誰もが納得できる無料ツールを提供しているのがおすすめのポイントです。

独自性も重視していて、注文機能では逆指値注文やOCO注文などの一般的なものだけでなく、国内株式で初めてトリガートレール注文を取り入れたことで知られています。指値を有効にする条件を定められるのが特徴で、FX取引で用いられている機能を株式取引でも使えるようにしています。

岡三オンライン証券の現物取引の手数料は「ワンショット(1注文ごと)」と「定額プラン(1日ごと)」に分かれています。

ワンショット 定額プラン
  • 10万円まで:108円
  • 20万円まで:220円
  • 50万円まで:385円
  • 100万円まで:660円
  • 150万円まで:1100円
  • 3000万円まで:1650円
  • 3000万円以上:3300円を上限に
    100万円増加ごとに330円ずつ加算
  • 50万円まで:0円
  • 100万円まで:880円
    (以降は100万円増加ごとに880円)

岡三オンライン証券はツールの充実度が特に優れています。テクニカルスクリーナー機能と呼ばれる銘柄抽出機能は精度が高いことで人気があり、スムーズに投資先の候補を絞り込むことが可能です。

GMOクリック証券

GMOクリック証券は、インターネット業界の大手であるGMOの傘下にあるので安定感があることからよく着目されます。ツールの機能が充実していて情報量も多く、手数料の水準も比較的低いのが人気の理由です。

GMOクリック証券では逆指値注文やIOC注文はできますが、OCO注文などのよく見受けられる注文機能がない場合もあるので注意が必要です。ただ、日付指定注文が可能なので売買のタイミングを早い段階で決断したい人には魅力があります。

GMOクリック証券の現物取引手数料については1約定ごとプランと1日定額プランがあります。

1日定額プラン 1日定額プラン
  • 10万円まで:96円
  • 20万円まで:107円
  • 50万円まで:265円
  • 100万円まで:479円
  • 150万円まで:580円
  • 3000万円まで:917円
  • 3000万円以上:977円
  • 20万円まで:234円
  • 30万円まで:305円
  • 50万円まで:438円
  • 100万円まで:876円
  • 200万円まで:1283円
  • 300万円まで:1691円
    (以降は100万円増加ごとに295円)

GMOクリック証券のツールはバランス重視で仕上げられていて、非の打ちどころがないのが魅力です。特にスマホ用のツールは小さな画面でも分析しやすいように入念に設計されているので、スマホユーザーなら一度は使って検討してみると良いでしょう。

松井証券

松井証券は徹底して手数料を最低水準にする方針で取り組んでいるのが特徴で、証券業界で手数料の無料化の動きを牽引してきています。

もちろん安くても充実した取引を可能にするための取り組みも欠かしません。松井証券ではPTS取引ができることに加え、独自性の高い執行条件を指定できる注文機能が豊富です。逆指値は当然ですが、指値注文の際に最良、指成、引けなどといった条件を付けて柔軟な取引指示ができます

松井証券の現物取引手数料は1日あたりの約定代金で決まる仕組みになっています。50万円までは無料というのが最大の特徴で、少額取引なら魅力的な選択肢です。以降は100万円までは1100円で100万円ごとに1100円ずつ加算されていき、上限が11万円です。

松井証券のツールは表示可能なチャートが多い点でも注目されていますが、注文を手際よく行えるようにきれいにまとめられているのが魅力です。スピード感のある取引をしたい人に向いているツールに仕上がっています。

auカブコム証券(旧カブドットコム証券)

auカブコム証券は三菱UFJファイナンシャルグループの傘下にある証券会社で、カブドットコム証券が上場維持のために移行して作られました。他社にない機能やサービスを追求しているのが魅力でしょう。

auカブコム証券の注文機能は多岐にわたっているので、使いこなせると多彩な戦略を取れます。逆指値やIOC、SORに加え、リレー注文やトレーリングストップなど、独自の注文方法がたくさんあるのが魅力です。

現物取引手数料は1回ごとに計算される仕組みです。約定代金が10万円まで99円、20万円まで198円、50万円まで275円で、50万円を超えた場合には約定金額の0.099%+99円になり、上限が3690円です。

ツールは機能的には平凡で突出したところはありませんが、最低限のものはきちんと揃っているので安心です。レイアウトの可変性が高いので、自分に最適化しやすいのが魅力と言えるでしょう。

複数の会社の証券口座を開設することはできる?

証券会社を選ぶときに、一つに絞り込まないで複数にしても良いのだろうかと疑問に思う人もいるでしょう。

証券口座は一つに限定しなければならないというルールはありません。複数の口座をうまく使って投資をしている人も大勢います。

特にネット証券の口座であれば、一般的に口座の開設にも維持にも費用がかかりません。たとえ全く使わなかったとしても損をするわけではないので、迷ったときには複数の証券口座を開いて取引を始め、使いにくいところは撤収するというやり方も選べます。

また、証券取引をするうえでは複数の口座を持っているだけでも様々なメリットが生まれます。それでは、複数の会社の証券口座を保有しているとどのようなメリットがあるのでしょうか。

口座を持っているだけで有益な情報が得られる

口座を開設すると、証券会社から取引の役に立つ情報を入手することができます。情報の仕入れ先が多くあるということは、株式投資をするうえで大きなメリットです。

口座を持っていると取引をしたかどうかにかかわらず、投資家にとって有益な情報をメールマガジンやオンラインシステム上のニュースなどで配信してもらえます。少しでも取引をした後なら、ポートフォリオに合わせた提案を配信してくれることもあるでしょう。

また、証券会社によってはセミナーも実施しています。投資初心者に向けたノウハウのセミナーから中級者以上向けの投資情報の提供セミナーまで、ラインナップも豊富です。口座を持っている人限定で参加できる仕組みになっているセミナーがほとんどなので、口座を持つ意味は大きいでしょう。中には無料で受講できて自宅からでも気軽に参加できるオンラインセミナーもあります。

必要な情報を手に入れたり、投資についてのノウハウを学んだりするのに有用なサービスが豊富なので、一つに限らずに複数の口座を持つことを前向きに検討してみましょう。

幅広い銘柄分析が可能

銘柄分析をするときに候補の幅が飛躍的に広がるのも、複数の口座を持つメリットです。

上述のように、証券会社は独自の調査や分析をした結果を配信してくれます。セミナーでも証券会社によって盛り込まれている内容が異なります。得られる銘柄情報にも当然違いがありますが、同じ銘柄を紹介していてもその将来に関する分析結果は異なっていることもよくあります。

このように広い視点から銘柄や市場の情報を得られるので、幅広い銘柄を候補にして投資先を検討できるのです。

さらに、証券会社ごとに利用できる分析ツールも違うので、同じ情報から導き出される結論も変わります。分析ツールの機能によってどのような分析をしやすいかが異なるので、それぞれのツールでやりやすい分析をしていけば多角的な分析ができるでしょう。

その結果としてより精度の高い将来予測ができるようになり、自信を持って投資する銘柄を決められるようになるのもメリットです。

口座の数が多いほどIPO(新規公開株)も有利になる

新規公開株を獲得できる確率も向上するのも、複数の口座を持つメリットです。

大きな値上がりが期待できるIPOは魅力的な投資先として知られていますが、買いたい投資家も大勢いるのは明らかでしょう。IPOの時点で発行される株式数も限られているので、抽選で選ばれるようになっています。

IPOは証券会社ごとに割り振られる仕組みになっているため、その抽選対象となる人数は証券会社ごとに上限があります。複数の口座を持っているとどの証券会社でも抽選で当たる可能性があるため、取得できる株式数が多くなると期待できるでしょう。

ただし、必ずしもIPOなら株価が上がるとは限らないので注意が必要です。大手企業が新規上場をして当然株価が上がると予想されていたにもかかわらず、上場と同時に株価が暴落したという事例もあります。

ただ、複数の口座を持つことによってIPOが投資先の候補として選びやすくなるのはメリットであることに違いはありません。

証券会社によって異なるサービスを利用できる

受けられるサービスが証券会社によって異なることを考慮すると、多様なサービスを利用できるのもメリットになります。

証券会社によって違うサービス

例えば、立会外分売にはSBI証券や楽天証券、松井証券などは対応していますが、GMOクリック証券やauカブコム証券などでは対応していません。一方、信用取引について見てみると取引手数料が楽天証券やSBI証券ではかかりますが、auカブコム証券では一律0円です。

このように、どんな取引をしたいかによって、どの証券会社が良いかが異なります。複数の口座を持っていれば、局面に応じた取引を進めて有利な形で資産形成ができるでしょう。

複数の証券口座を持つデメリット

「複数の証券口座を持つのにデメリットは無いの?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。最も大きいデメリットは資金が分散することです。

その結果、買いたい株がある時に口座のお金が足りないということが起こったり、信用取引の時にマージンコールに引っかかりやすくなったり、資金だけでなく買った株の管理が大変になったりします。

マージンコールとは

マージンコールとは、預け入れた証拠金が足りなくなった場合に証券会社から追加入金を求められる警告の事です。指定日時までに追加入金しないと、証券会社が自動的に保有している株を売ってしまいます。

まとめ

株式投資をするうえでは、証券会社で口座開設をすることが必須です。証券会社によって注文機能や取引手数料、情報やツールの充実度が異なるので、どんな投資スタイルにするかをよく考えて自分に合った証券会社を選ぶのが大切です。

個人投資家の場合には少額取引が多くなる傾向があり、取引のタイミングも限られる傾向があります。利便性が高くて取引手数料も低いネット証券を中心にして考え、必要なら複数の口座を持って投資を進めていきましょう。

専門家からのコメント

ウェルスパス投資顧問
ウェルスパス投資顧問代表 渡邉

各社を見比べて、

  • 自分の取引の形(1日に何回取引するか、1回もしくは1日当たりの金額はどれくらいか)での手数料比較
  • テクニカル分析をするならどの証券会社が使いやすいのか
  • ニュースは、どこが豊富なメニューがあったり見やすいか

などを選ぶ基準にしてご自身に合った証券会社を選んで下さい。

IPOの取り扱いが豊富なところで選ぶというのもあるでしょう。

 

この記事を監修した専門家
ウェルスパス投資顧問代表 渡邉
ウェルスパス投資顧問
複数の大手外資系証券会社で日本株式ディーリング業務に計20年以上従事。運用結果がシビアに評価される中で最大1,000億円の運用を任される。特に、成長株の分析及び投資戦略が得意。
現在は、ウェルスパス投資顧問(関東財務局長(金商)第3014号、一般社団法人日本投資顧問業協会所属)の代表 兼 銘柄分析者 兼 投資助言者として会員へアドバイスを行う。
公式サイト